人の生活リズムが変化するこの時期は犬や猫の病気やケガも多い。過去3年間の年末年始に受診した症例で多かった疾患をもとに注意すべき点を述べる。
1.嘔吐、下痢など消化器症状
○食生活の変化やストレスにより悪玉菌が増殖し、下痢や嘔吐を引き起こす場合が多い。
○実家への里帰りや旅行など長時間のドライブ、大勢の来客や子供に追い掛け回されるなどのストレス。
○おせち料理など普段食べないような食餌など食生活の変化。
○異物の摂取にも要注意。
○家を留守にする機会や目を離す時間が増えるこの時期、異物を摂取されないよう十分な注意が必要である。
2.外傷
○ちょっとした気の緩みが大きな事故につながる。
○犬、猫の脱走による交通事故遭遇。
○慣れない犬同士の接触による喧嘩の咬傷。
○骨折:子どもが犬を抱いていて落下したり、ソファーから飛び降りるなどちょっとしたことで小型犬(とくにトイプードル、パピヨン、チワワなど)は骨折する。
3.その他
○心疾患やてんかん(癲癇発作)など持病の悪化で来院されるケースも多い。
○基礎疾患を有する犬、猫では普段よりも多めの薬をもらっておく。
○緊急時の対処法を聞いて置くなどの対処が必要。
文責:獣医師 藤﨑由香