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2012年1月5日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「年齢別のフード」についてです。

 今回は「年齢別のフード」について述べた。
 
年齢で必要なエネルギーはどれくらい違うのか?
フードの増量が必要な場合
 成長期や妊娠期には維持期(成犬・成猫)の約2~3倍、泌乳期には維持期の3倍以上ものエネルギーが必要となる。激しい運動を行う場合にも同様のエネルギーを必要とする。
 また、最近寒い日が続くが、特に外で飼っている動物ではエネルギー要求量が10~90%も増加する。気付かないうちにダイエットにならないように注意が必要である。
 長寿犬や長寿猫では体重が減少する傾向がある。その原因として、消化率や合成能の低下、食欲のムラなどが考えられるが、適切なエネルギーを摂取させるため、肉などを与え、脂肪含量を高め、十分な蛋白を与えるとよい。

フードの減量が必要な場合
 避妊手術や去勢手術後にはエネルギー要求量が低下する。1~2割のフード減量が求められる。これはエストロゲンやアンドロゲンの性ホルモンが細胞の代謝率を高め、食欲を抑制していること等に原因していると考えられている。
 また、7歳以上の犬や猫でもエネルギー要求量が約1割低下する。一日中ほとんど寝ている姿を見れば、エネルギーが使われないのも納得できるだろう。

年齢別にフードの構成はどう違うのか?
 成長期用のフードは蛋白質と脂肪を多く含んでいる。妊娠期や泌乳期では蛋白質と脂肪の多い食事が求められるため、成長期用のフードを与えるとよい。もちろん、カルシウムをはじめミネラルや各種ミネラルの要求量も多い。
 炭水化物は必ずしも必要ではないが、妊娠期や泌乳期では胎子の成長や乳糖生成のため、より多くのグルコースが必要となるため、炭水化物を与えるとよい。

ちなみに、犬と猫で違いはあるのだろうか?
 犬は雑食、猫は肉食動物である。
 猫は肉食動物のため、蛋白質要求量が子猫は子犬の約1.5倍、成猫は成犬の2倍である。また、猫はタウリンというアミノ酸を摂取しなければならない。猫を小さい犬のような扱いをしてはいけないのだ。猫に犬用フードを与える、またその逆も好ましくない。

高齢動物で特に気をつけることは?
 意外と忘れられている水! 高齢動物では浸透圧調節機能障害や喉渇感覚障害などで脱水を惹起し易い。脱水は命とりである。普段どれくらいの飲水量があるのかを把握し、飲水量の低下に早めに気付くことが大切である。
 

文責:獣医師 棚多 瞳

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