○先天性脊椎奇形の1種で、胎生期の脊柱形成異常によって発生する。
○椎骨の一部が欠損または骨化しないまま出生するため、椎骨は楔状や蝶形を呈する。
○好発犬種:スクリューテール(巻尾)の犬種(ブルドッグ フレンチブルドッグ パグ ボストンテリア)。
○診断:レントゲン検査で極端に弯曲した脊椎が確認される。一般的に胸椎で認められるが、稀に腰椎で認められることがある。
○症状:幼少期には症状は認められないが、成長と共に前後の脊椎からの圧力に耐えられず脊髄を圧迫すると症状が認められるようになる。後肢のふらつき・麻痺・起立不能・震え・背部の疼痛。
○治療:根本的な治療法はない。ステロイドや痛みどめなど内科療法が主体である。まれに減圧のために脊髄除圧術、椎体固定術など手術を行うこともある。
○発症の予防:好発犬種のほとんどの場合、多少の奇形が見つかる。激しい運動・段差/ジャンプなどを避ける・背骨を地面に平行に抱く・体重管理など、日頃の生活に注意することで発症させないようにすることが肝心である。
○好発犬種では症状が出る前に一度レントゲン検査で背骨(脊椎)の状態を確認することが必要である。
文責:獣医師 藤﨑 由香