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4月18日(金)のMRTラジオ「ドクター・ヒデのワンニャン譚」の内容をアップしました。

 最近一段と暖かくなってきました。今の時季、筍(たけのこ)、薇(ぜんまい)、蕨(わらび)など美味しいですよね。山菜採りなど山歩きで特に注意が必要なのが「重症熱性血小板減少症候群」という病気ですが、ご存知ですか?

 今回はマダニが関連する病気と、マダニの駆除法についてお話しようと思います。人の「重症熱性血小板減少症候群」という病気はウイルスを持ったダニに人が咬まれることで感染します。中国で2011年に世界で初めて発見されました。日本国内でも2013年に山口県で最初の患者が確認された新興ウイルス感染症です。これまで13の県で発生し、22人が死亡、そのうち4人が宮崎県内での事例です。ある調査では、このウイルスを持ったマダニは23道府県で確認されているので、すでに国内各地に分布していることが明らかになりました。

 この「重症熱性血小板減少症候群」は動物での発症の報告はありません。しかし、イヌ、シカ、イノシシで抗体が確認されていて、抗体はできるけれども病原性はなく、発症はしないと考えられています。この調査では動物病院を受診した飼い犬で抗体が確認されていることから、普段散歩をするような身近な場所にもウイルスが潜んでいる危険性があります。

 犬には「バベシア症」というマダニが媒介する代表的な病気があります。バベシア原虫が赤血球に寄生することで赤血球を破壊し、貧血、発熱、黄疸などの症状がみられ、場合によっては死亡するという怖い病気です。このバベシア症も人には感染しません。

 このような病気にかからない為に『君子危うきに近寄らず』という通りマダニの生息が多い場所、つまり山や草むらなどに出来る限り近寄らないことです。とは言っても宮崎の場合、ほとんどがマダニがいる環境なので、マダニの予防が必要になります。20年ほど前からスポットタイプのノミ・ダニの予防薬が販売され、予防によってノミ・ダニに関連する病気の発生が著しく抑えられています。現在では錠剤の予防薬も販売されており、個別にあったタイプのものを選んであげると良いでしょう。

 猫にもノミが媒介する代表的な病気に「ヘモプラズマ症」という赤血球に寄生する病気があります。貧血、発熱などの症状が見られ、致死的疾患でもあるため、猫にもノミ・ダニの予防は重要です。

 人にノミ・ダニの予防薬をつけるというわけにもいかないので、野外活動など山に入る場合にはマダニに咬まれないように服装に気をつけ、帰ったらすぐに着替えるなどの注意が必要です。また、犬・猫が家の中に持ち込む可能性もあるので注意してください

 担当:獣医師 藤﨑 由香

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