当院の数年来のお客さまも未だCTの導入を御存じない方が多いようです。
「それなら是非」との希望が多く、より的確な診療方針の決定に威力を発揮しています。CTを導入して半年が経過し、確定診断と治療の向上に想像以上の成果を生んでいます。地方の街の小規模病院においても、CT検査の重要性と貢献性が裏付けられたと、実感しています。
数ミリの病変も見逃さない優れものです。腫瘍をはじめとした各臓器間の関連性、付属リンパ節や肺・肝臓等への転移の有無など、手術適応の判断や術式の選択に極めて有益です。
また最近では、麻酔リスクの高い肺疾患(間質性肺炎や気管支拡張など)の症例に対して、無麻酔下での撮影を試み、満足する情報を得ています。
CTの導入で従来よりも的確な治療方針を立てられるようになり、それに伴い疑心暗鬼のストレス診療が減少し、そして何よりも動物や飼い主様の要望(完治・苦痛の軽減・生活の質の向上・すべきでない手術の回避など)に少しでも近づけたと自負しています。
今後「今週のCT」と銘打って、当院での症例を紹介していきたいと考えています。
症例①雑種犬の腹腔内腫瘤
エコー検査で腹腔内に巨大腫瘤が見つかり、腫瘤が巨大で由来臓器がはっきりしないためCT検査を実施。CT検査の結果、腫瘤は脾臓腫瘤で周囲臓器や主要血管への癒着はないことが確認されたため摘出手術を実施。
摘出した腫瘤を病理組織検査を実施したところ脾臓の間質肉腫と診断。