放送は15日(土)が午前10時30分、午後2時半、午後8時30分の3回、16日(日)が午前9時と午後9時30分の2回の計5回です。内容は以下のようです。
<犬の腫瘍の概論>
(麻布大学獣医学部・腫瘍科 信田卓男教授による。1985年~2006年の計5,819例)
●腫瘍発生の平均年齢-9.2歳
●部位別腫瘍発生頻度
①皮膚の腫瘍(肥満細胞腫など)-39.6%
②乳腺腫瘍-23.9%
③頭頸部腫瘍-10.6%
④リンパ・造血器腫瘍-6.6%
⑤生殖器系腫瘍-5.4%
●悪性比率の高い部位
①皮膚肥満細胞腫・造血器系-100%
②呼吸器系-96.9%
③骨関節-93.4%
③内分泌系-93.4%
⑤泌尿器系-86.6%
⑥消化器系-85.5%
⑦頭頸部-59.6%
●犬種差
A.腫瘍発生頻度の高い犬種:ゴールデンレトリバー、シェットランドシープドッグ、マルチーズ、シーズーの順。
B.腫瘍発生頻度の低い犬:ラブラドールレトリバー、ポメラニアン、パピヨン、チワワ、ダックスフント、ウエルッシュコーギー、柴犬、ミニチュアピンシェル、キャバリアの順。
●犬の腫瘍のまとめ
A.犬の腫瘍はその7割以上が体表や目に見える箇所に発生し、そのうち皮膚の腫瘍が6割以上を占め、かつその6割以上は良性である。
B.目に見えない部位の腫瘍(腹腔内や胸腔内)の悪性率は100~85%と極めて高い。
C.犬は1年に4~6.5歳も歳を取るから、腫瘍の進行がはやい。
D.かなり進行しないと症状が現れないため、飼い主の発見が遅れる。
E.腫瘍には「それぞれの顔(性質)」がある。
※※犬では体表の腫瘍が多い→飼い主が早期発見し易い→早期外科的摘出
※※乳腺腫瘍が多い→初回発情前の避妊手術・飼い主による早期発見→早期手術
※※その他の腫瘍→早期発見が困難→定期的な検診(触診やエコー検査、血液検査など)
※※飼い主への啓蒙(悪性でも早期であれば完治できるなど)