放送は22日(土)が午前10時30分、午後2時半、午後8時30分の3回、23日(日)が午前9時と午後9時30分の2回の計5回です。内容は以下のようです。
<猫の腫瘍の概論>
●部位別腫瘍発生率と発生率
①造血系(50~90%がリンパ腫)-200頭/10万頭
②皮膚の腫瘍-120頭/10万頭(基底細胞腫、肥満細胞腫、扁平上皮癌、線維肉腫の順)
③乳腺腫瘍-雌猫の17%(犬の乳腺腫瘍の半分以下、悪性率は85%以上)
④結合織(線維組織や脂肪組織)-17頭/10万頭(全腫瘍の7%)
⑤口腔内腫瘍-全腫瘍の3%
●リンパ腫と猫白血病ならびに猫エイズワクチンとの関連
A.リンパ腫で白血病ウイルス陽性率は60~70%であったが、ワクチンの普及で25%に減少。
B.白血病ウイルス感染猫は非感染猫に比べリンパ腫のリスクが60倍高い。
C.猫エイズウイルスもリンパ腫のリスクを5倍に高める。
●猫の乳腺腫瘍と避妊手術との関連
A.6ヶ月齢での避妊手術は乳癌のリスクを7倍下げる。
B.6歳までに避妊された猫の乳癌リスクは40~60%下がる。
●猫のその他の腫瘍の特長について
A.犬に比べ腸管腫瘍の発生率が高く、全腫瘍の4~9%(犬は3%)を占め、主に小腸に発生する。
B.上記以外の腫瘍(原発性肝臓腫瘍、膀胱癌など)の発生率は全腫瘍の約3%いかであるが、悪性率は高い。
C.猫に多い疾患の甲状腺機能亢進症の3~5%が甲状腺癌で、転移率(70%)が高い。
D.猫の腫瘍にも「それぞれの顔」がある。
※※リンパ腫などの造血系の腫瘍は猫白血病ウイルスが深く関連→感染を避ける(外に出さないなど感染猫との接触を避ける。ワクチン接種の励行。去勢や避妊手術の実施)
※※犬ほどではないが乳腺腫瘍が多発し、かつ悪性率が高い→生後6カ月までの避妊手術の実施。
※※犬と同様に皮膚の腫瘍が多い→早期発見・早期外科的手術。
※※小腸の腫瘍が多い→定期健診(触診やエコー検査など)・軽度の症状でも来院。
※※その他の腫瘍→定期健診・飼い主への啓蒙。