2021年11月中旬、宮崎市大淀川南部に居住の方が、「おととい猫を保護したが、病気をもっていないか健康状態を診て欲しい」、とのことで来院しました。
念のため、マイクロチップが埋め込まれてないかどうかチェックするためリーダーを首筋に当てるとJPSの文字の後、例の15桁の数字が出現しました。早速、日本獣医師会(公益社団法人)の「動物ID情報データシステム」を活用したところ、飼い主の氏名・住所が分かりました。なんと飼い主の住所は対岸の大淀川北部でした。何らかの方法で橋を渡ったことになります。
来院された方が飼い主と連絡を取り、「橋を渡った猫」は無事元の塒(ねぐら)に帰ることができました。めでたしめでたし。
ところで昔から「猫は橋を渡らない」と言われることがあります。橋は見通しが良く身を隠す場所がないため、警戒心の強い猫は「橋を渡る」ことを避けるという説です。
ともあれ地域猫や迷い猫が来院したならば、マイクロチップのチェックが必要ということを実感しました。
まだマイクロチップを埋め込んでいない飼い主の方は、室内飼いの猫も逃走することがありますから、是非検討しましょう。
最後に、この猫がどのようにして「橋を渡った」のかは不明ですが、家から逃走した後、車などに潜んでいたのがそのまま移動したものか、もしや渡しの舟に乗ったものか、はたまた泳いだものか・・・・・・。
12月3日