宮崎県内の成人男性が昨秋、ダニ媒介性のウイルス感染症である「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で死亡していたことが発表され、県は野外での活動の際は肌の露出を避けるなどマダニにかまれないように注意を呼び掛けています。SFTSは2011年に中国で初めてウイルスが確認され、国内では今年1月に山口県で初めて感染が確認されました。国内で確認された4症例(宮崎・山口・愛媛・広島)とも海外への渡航歴はなく、国内で感染したと考えられます。SFTSをもったダニに咬まれると6日間から2週間の潜伏期間を経て、発熱や下痢などの症状が出ます。ダニの他、患者の血液や体液との接触で感染した報告もあります。有効な治療法はなく、推定される致死率は10%を超えます。
マダニはSFTS以外にも多くの疾病を媒介する危険性があります。人だけでなく犬や猫に感染する疾病も保有している可能性があり、特に犬のバベシア症という怖い病気を媒介することで有名です。猫ではヘモバルトネラ症やQ熱を媒介します。マダニは山だけでなくちょっとした道端や公園などの草むらにも生息していて、動物が通過する際に動物から出る熱や振動、二酸化炭素を感知して動物に飛びつき吸血します。マダニの活動は春から秋にかけて活発になりますが、気温や種類によっては冬でも生息します。マダニを予防するにはノミ・ダニの予防薬を用いますが、ホームセンターなどで販売されている製品は動物病院で取り扱っている商品とは成分が異なるなど、注意が必要です。また、ノミ・ダニの予防薬を付けていても100%ではないので、不必要に草むらに近づかないようにしましょう。
詳しくは以前の記事を参考にして下さい。
http://tabaru.9syu.net/case/perm/179.htm
http://tabaru.9syu.net/case/perm/73.htm