前回はパルボウイルスについて述べたが、今回はパルボウイルスをはじめ様々なウイルス疾患で使用する治療薬「インターフェロン」について述べる。
●まず、インターフェロンとは何なのか?
インターフェロンとは、ウイルス感染などの刺激によって細胞から産生される抗ウイルス活性を持った蛋白のことで、マクロファージ、T細胞、線維芽細胞などで生産される。
主な作用は以下の通りである。
①ウイルス複製の阻害
②免疫増強作用(MHC分子の増加)
③感染細胞破壊に関与するNK細胞やマクロファージの活性化
などがあげられる。
犬や猫ではネコインターフェロン(組換え型)が使用される。
●インターフェロンを使用することにより、ウイルスを完全に排除できるのだろうか?
インターフェロンには直接的な抗ウイルス作用はない。つまり、ウイルスを直接殺すものではなく、上記のような作用により、体がウイルスを排除、あるいは減少させる手助けをする薬である。ウイルスを完全に排除できるか否かは、そのウイルスの性格による。
●人ではB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性疾患に対して使用され、高い効果を得ているが、犬や猫では具体的にどのようなウイルス疾患に使用されているのだろうか?
①猫カリシウイルス感染症
②猫ヘルペスウイルス感染症
③猫白血病ウイルス感染症
④猫免疫不全ウイルス感染症
⑤猫・犬パルボウイルス感染症