前回示したように、犬猫の血液検査(生化学)の正常値は測定機器によって大きく影響されます。ある会社の機器で得られた値を他社の結果とそのまま比較することがあってはなりません。正常値が異なるため鵜呑みにそのまま評価すれば不要な追加検査や治療を余儀なくされることにもなります。ことによっては動物への治療過誤につながります。あってはならないことです。そこで、複数の病院で血液検査を受けた場合の注意点について述べます。
①第一に、使用された血液検査の機器を問うこと。
②同時に、機器の正常値が併記されているか、確認すること。
③犬と猫の正常値は3社どの機種を使用しても無視できない差異があります。
④正常値が犬と猫で同じということはあり得ませんから、犬と猫で同一の正常値チャートを掲げている病院は存在しません。
⑤正常範囲にあっても手放しで安心してはなりません。同じ動物個体でも基準値の範囲内で変化(上昇)していることも少なくありません。これは、病気の早期発見と進行の抑制に利用できます。高齢になるほど定期的な検査の必要性が増すのは勿論ですが、病気で病院に行った時にはなるべく血液検査を受け、検査値の変動をチェックすることが重要です。
⑥正しい判読ができかねる時は、理解できるまで説明を求めることです。
詳しくは受付で、お尋ねください。