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猫の慢性腎不全化阻止に光明現る?

 昨夜と今日の毎日新聞に、猫の急性腎不全の慢性化を防いで寿命を延ばせる可能性が示唆された・・・・・・とする論文が医学系科学雑誌に発表されたとする記事が掲載されました。その内容は以下であります。

<猫>もっと長生きできる…腎不全多発、東大など原因解明

毎日新聞 10月12日(水)20時15分配信・同13日朝刊27面

 猫に腎不全が多い原因を東京大の宮崎徹教授(疾患生命科学)らの研究チームが解明し、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に12日発表した。猫の死因のトップは腎不全とされているものの、原因は不明で治療法も確立されていなかった。猫はペットとして飼われる動物としては犬を抜いて最も多く、研究は腎不全の猫の治療や延命に役立つとしている。

 腎臓は、血液中の老廃物を尿として排出する役割がある。腎不全はこの機能が働かない状態のことで、尿の通り道となる管内の細胞が死んではがれ、ごみとなって塞いでしまうことが原因となる。猫の場合は5~6歳で急性の腎不全になることが多く、そのうち5~7割が改善せずに、慢性腎不全のため15歳程度で死ぬという。

 人やマウスでは、急性の腎不全になった場合、血液中に固まって浮遊しているたんぱく質「AIM」が活性化し、ごみの排除に関わって腎機能を改善させるが、猫の場合は、AIMが急性腎不全になっても働かないことを研究チームは発見した。このたんぱく質の働きを利用した薬の開発が進められており、猫だけでなく人への応用も期待される。

 宮崎教授は「数年で猫の薬が使えるようになる見込みで、猫の寿命を大幅に延ばせる可能性がある」と話している。【藤野基文】

AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)=マクロファージが分泌するタンパク質。

宮崎教授の所属は東京大学大学院医学系研究科「疾患生命工学センター・分子病態医科学部内・2006年5月開講」という新しい研究組織のようです。教授は医学部内科の局員の経歴のようです。

<コメント>
①猫の急性腎不全が尿道結石や尿管結石などに起因する尿路障害なのか、それとも先天的な要因が関与するのか、はたまたその他の原因なのか詳細が不明です。
②猫の急性腎不全が5~6歳で多発のは妥当かどうか。
③原著を読まない論評は避けた方がよいのですが・・・・・・ともあれ急性腎不全で生じる尿細管の破壊産物を分解して尿の流れを早急に改善して尿産生を促進し、結果として速やかな尿細管の再生を促すことで腎臓の慢性不全化を防御するメカニズムのようです。
④著者らは近々、治療薬の開発応用が出来るとしていることから、大いに期待するところです。

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