平成29年12月16~17日に東京で開催されたインターズーアカデミー 獣医整形外科 確実な診断・治療のための臨床思考型セミナー2
~犬の膝関節疾患編~膝蓋骨内方脱臼と前十字靭帯疾患を確実に診断し治療する!~ に藤﨑が参加しました。
膝蓋骨内方脱臼はトイプードル、ヨークシャーテリア、チワワなど小型犬に多く見られる疾患で、膝蓋骨(膝のさら)が脱臼して正常な位置ではなく内側に外れた状態を言います。この病気は出生時より膝周囲の筋肉や骨の位置、靱帯の付着部の異常が存在し、成長とともに異常が進行して脱臼を引き起こします。無症状の場合から足を挙上してしまうような重度な症状まで個体差があり、成長期で脱臼したままになると骨の変形が起こる場合もあります。
膝蓋骨内方脱臼は4つのグレードに分類されます。
Grade1 普段は膝蓋骨は正常な位置に存在し、指で押すと脱臼させることができるが指を離すと正常な位置に戻る
Grade2 時折膝蓋骨は正常な位置から脱臼するが、指で押すと正常な位置に戻すことができる
Grade3 膝蓋骨は常に脱臼し、指で押すと正常な位置に戻すことができるが指を離すとまた脱臼してしまう
Grade4 膝蓋骨は常に脱臼し、指で押しても正常な位置に戻すことができない
治療は保存療法から外科手術まで、グレードや年齢、症状によって異なります。
膝蓋骨内方脱臼があると前十字靭帯断裂を引き起こしやすいとも言われ、実際に併発する症例も多く認められます。
前十字靭帯断裂についてはこちら↓
http://tabaru.9syu.net/case/perm/387.htm