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7月3日(土)、4日(日)のケーブルテレビ「スクランブル・宮崎」#13のテーマは「M.ダックスに多い疾患」です。

 放送は3日(土)が午前10時30分、午後2時30分、午後8時30分、午後11時の4回、4日(日)が午前9時、午後4時、午後9時30分の3回、計7回放送です。

今回は人気ナンバーワン犬種、ミニチュア・ダックスに多い疾患についてである。

●椎間板ヘルニア、会陰ヘルニア、鼠径ヘルニア
●癲癇
●遺伝性の皮膚疾患
●進行性網膜萎縮
●僧帽弁閉鎖不全
●膀胱結石

などがあげられるが、今回は会陰ヘルニア、進行性網膜萎縮について述べる。

●<進行性網膜萎縮(網膜変性症)>
 1980年代前半に発見された後天性に起こる突然の網膜変性で、病因は明らかにされていないが、ミニチュア・ダックスフントなどの犬種特異性が認められることから、遺伝的要素が考えられており、常染色体劣性遺伝で遺伝する。通常、中高年齢で発症し、肥満傾向にある犬で多い。典型的な例では、夜盲症として認識され、続いて進行して明るい光の下でさえ完全な盲目となる。しばしば多飲・多尿や過食の犬に多い。遺伝性の疾患で根本的な治療法は無く、必ず完全な盲目になるまで、進行し続ける。飼い主が視覚異常に気付いてから、24時間から4週間程度で失明する。進行した場合には、瞳孔反射は減衰し、瞳孔は散大している。また、進行すると二次的な白内障が見られる。
 眼底鏡による検査で診断可能である。早期に発見された例では、眼底に異常を認めないが、その後網膜血管の狭細化、タペタムの輝度(反射)亢進、視神経萎縮の特徴的所見が次第に現われてくる。

※眼底に病変が検出されない時期でも、網膜電図(ERG)においては明らかな異常が認められる。

●<会陰ヘルニア>
 会陰ヘルニアとは、尾骨筋、肛門括約筋、肛門挙筋、内閉鎖筋といった骨盤隔膜を構成する筋肉が脆弱化し分離することで、脂肪、膀胱、直腸などが会陰部皮下に脱出する疾患である。男性ホルモン(アンドロゲン)が関与しており、その多くは5歳以上の去勢していない雄犬に発生し、雌犬で発生することは稀で、まずない。
 症状は会陰部の腫脹、排便困難、排尿困難などであるが、ミニチュア・ダックスの場合、会陰部の腫脹は分かりにくいことも多い。そのため、排便困難、排尿困難といった症状が見られた場合は病院で診てもらおう。
 診断が遅れてしまうと筋肉の萎縮が進み、ヘルニア孔(穴)が大きくなる。少しずつ進行してしまうのだ。そのため、このヘルニアも早い段階での治療が大切である。
 会陰ヘルニアの治療法は基本的には外科的にヘルニア整復術を実施する。また、男性ホルモンに関連しているため、同時に去勢手術を行う。

 

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