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10月11日(月)からのケーブルテレビ・「宮崎ペットクラブ」のテーマは「犬・猫の発咳の診断マニュアル」です。

 4月からスタートしたケーブルテレビ・「スクランブル宮崎」が9月で終了し、10月から「宮崎ペットクラブ」と題して再出発するとのことです。当院の出演は月2週で、初回は10月11日からの1週間の予定です。放送は毎日1回で、時間はまちまちとの事ですので、興味のある方は番組表で御確認下さい

 「発咳」は犬、猫でよく見られる症状である。咳を主訴で来院した場合、獣医師はどのような病気(疾患)を頭にいれて診断を進めるか、手順を示して見よう

禀告をよく聴取し、発咳試験を実施し、肺音と心音を注意深く時間をかけて聴診するこれは、いかなる病気であろうと診療の基本である
のように、「咳」の症状で来院した場合、聴診や超音波検査もあるが、確定診断に辿りつくまで、かつ合併症の有無を調べるには「胸部レントゲン撮影」が必須である。
●まず、心臓が拡大(肥大と拡張)しているか、正常か。拡大があれば右心の拡大か、左心の拡大かをチェックする。
●心臓の拡大がない場合、肺に異常があるか、否か。気管など上部気道に異常がないかをチェックする。
●レントゲン1枚で確定診断が100%できるかというと、そうではなく、血液検査超音波検査などの結果と合わせて総合的に診る(判断する)必要がある。だが「咳」で来院した場合、胸部レントゲン撮影から得られる情報はあまりにも多い
●飼い主側は、ちょっとした軽い「咳」で病院に行ったのに「いきなりレントゲンを撮られた」などと思わずに、ちゃんとした診断にはレントゲン撮影が必要不可欠なのだということを知らなければならない。
●どのような疾患が考えられるか、以下に示した。

<犬と猫の咳の原因>
1.炎症性
  咽頭炎
  口蓋扁桃炎
  気管気管支炎
  慢性気管支炎
  気管支拡張症
  肺炎―細菌性、ウイルス性、真菌性
  肉芽腫
  膿瘍
  慢性肺線維症
  気管虚脱
  肺門リンパ節腫脹
  食道機能障害に続発
  吸入
  異物

2.腫瘍性
  原発性
  縦隔性
  転移性
  気管の
  喉頭の
  肋骨、胸骨、筋肉の
  リンパ腫

3.循環器
  左心疾患―肺水腫
  心肥大―特に左心房
  心疾患
  肺塞栓
  肺水腫―血管性の

4.アレルギー
  気管支喘息
  好酸球性肺炎
  好酸球性肺肉芽腫
  好酸球の肺浸潤(PIE)
  免疫疾患
  副鼻腔炎(?)
  逆くしゃみ(後鼻漏?)

5.寄生性
  幼虫の移行(トキソカラ(回虫)spp、イヌ鉤虫、糞線虫)、
  肺虫spp(犬)、猫肺虫abstrusis(ネコ肺虫)、
  ケリコット肺吸虫(犬、猫)、イヌ糸状虫(犬、猫)、
  毛細線虫aerophila(犬、猫)、キツネ肺蠕虫?(犬)

6.原虫性
  トキソプラズマ症(猫)
  ニューモシスチス(犬)

7.真菌性
  ブラストミセス症
  ヒストプラズマ症
  コクシジオイデス症
  クリプトコッカス症
  アスペルギルス症

診断のアルゴリズムを下表に示した

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