この度、(株)富士メディカルより、イヌの炎症性蛋白であるCRP(C反応性蛋白)のスライドが新たに開発され、つい最近発売されました。イヌに限りますが、富士メディカルがそのモノクローナル抗体の開発作製に至った結果です。当院でも早速購入しルーチンの検査項目に追加しましたところ、例えば他院で原因不明とされた元気・食欲消失で微熱の継続するダックスフントの症例においてCRPが高値を示し、免疫抑制療法で著しく低下した症例を経験しました。本症例は併せて関節液の採取も実施し、免疫介在の多発性関節炎の仮診断をして現在も療養中です。
人医では随分と前より、一次診療の段階から活用され、今ではあらゆる診療科で初診時や経過観察中、あるいは治療の効果判定に無くてはならない重要検査項目の一つでありますが、犬猫での応用は一歩も二歩も遅れ、犬では今に至ってようやく販売され、猫での開発は中途であります。
いずれにしてもイヌでの院内ルーチン検査が可能となったことは、患犬はもとより我々にとりましても飼い主様にとりましても有難く有益なことです。ターゲットとなる疾患は感染症全般、免疫介在性疾患、悪性腫瘍、外傷など多岐にわたりますが、診察する側としましては原因不明の発熱(不明熱)の原因探索をはじめ、治療効果の判定や治療終了の時期判断などその有用性は「鬼に金棒」かも知れません。
詳しくは当院スタッフにお尋ねください。